今日の失敗

「ただそれだけ」

先輩にこれ数えといてと資料をどさっと渡された。
了解ですと答え、さっと立ち上がる僕。
いい後輩になりたいと、動きで伝える。
(ははーん、ざっと1000枚くらいはあるな)
過去の経験から憶測で計る。
(よし10単位で数えていこう)
12345678910
12345678910
12345678910
同じ数字を繰り返す、何回も。
何回も何回も。
(よーしあと少し!)
12345678910
12345678910
(よしラスト!)
123、4、5、ろく!
(終わったー!)
さて合計…ん?
あれ?ごうけいは。
あれあれ?
…しまった!
数えてなかった。
10までを何回繰り返したかを数えてなかった。
ただ10まで数えるを繰り返していた。
12345678910
をただただ繰り返してしまっていた。
僕に分かるのは、下ひと桁が6ということだけ。
ただそれだけ。
(もー!くそー!時間かかったのに)
悔しかった。
(そして下ひと桁ってなんや宝くじか!
ふふふ、今のツッコミはまあまあかも、
あ、いけない、そんな事考えてる暇ないわ
いそがんと!)

結局僕は、1から586まで普通に数えた。
(憶測も完全にハズれとるやないか)

ラーメン。

「おう!おつかれい!」
「あ、おつかれ!」
「今日もうおわり?」
「うん、めずらしく」
「まじで、じゃあラーメンでも食っていかん?」
「お、いいねえ」
「よしゃいこか!」
「いきまひょか!」

今日の帰り、同期との会話です。
同期の頼もしさに感謝。
同期がいるという事に感謝。
あんなにおいしいラーメンが食べれるなら
明日も僕、がんばっちゃうぞ。

怒ってはだめ。

はっえー。

もうあとちょっとで6月になります。
6月ということは、
今年の半分ということです。

え、まじで。はっえー!

テ。

僕の手のひらのしわは、
カタカナの「テ」になっているように見えます。

子供の頃、だから手はテと呼ぶんだと思っていました。

だから足のしわも、「アシ」になっているのではないかと、
一生懸命探していた記憶があります。

お母さんに聞いたら、違うと言われました。

サンシャインガール。

晴れの休日。
スリッパで飛び出した。
口には歯ブラシ
サンシャインガールを探してる。

Sunshine Girl
http://www.youtube.com/watch?v=E2xFlNr_Pb0&feature=related

やる気スイッチ。

こんなスイッチがあります。
僕にもあるのかな。
お風呂あがりに探してみます。

やる気スイッチ
http://www.youtube.com/watch?v=qnenyYebfrk&feature=related


挑戦状
http://www.youtube.com/watch?v=TqNN6erEiJY&NR=1

今日のリスペクト。

メモ【memo】
[名](スル)忘れないように書き留めること。
--------------------
教室で1枚のメモを拾った。

色と匂いと。
味と音と。
それから気持ちが。
すすすと書いてある。

「これ誰のメモですかー?」
クラスのみんなに聞こうかと思ったけれど、
僕はそっと机にしまった。
誰が書いたのか、
それは分からないけれど。
--------------------
memo
http://make-a-trip.jugem.jp/

なみだ。

上司の涙を見た。
はじめての事だった。

その人は会社の中ではドン的な存在で、
元デザイナーで現在は社内全デザイナーのボスをしている。
だいたいの人は彼女を見るとおじぎをする。
(※一応書いておきます、ドン小西とは全く関係ないです)
負けん気の強い関西人で、仕事一筋ど根性。
55歳をすぎても朝まで仕事するようなおばさんである。
最近は京ことばにハマっていて、やたらと語尾に「おます」を付けてくる。
背はとても高く、幅もある。というより骨が太い。内から太い。
声にも迫力があり、ドスがきいている。
喧嘩したら多分すぐ負ける。
僕は男だし、一応空手の黒帯を持っているのだけれど、
それでも10秒もたたないうちにやられる。
二の腕と太もも回りのサイズ感がすごい。
服はいつも20万円くらいのブランドものを着ていて、
今日は透ける素材の長袖ニットを着ていたけれど、
別に透ける素材じゃなくても充分透けると思う。
ニットの伸び率の限界をとっくに超えているからだ。
仕事中はやたらと水分を摂る。
そして紙コップは燃えるゴミ、紙パックは燃えないゴミと、
謎の分別をして捨てる。
リサーチなどで外に出る時は、お化粧直しにトイレにこもる。
15分ほどたって笑顔で戻ってくる上司は、15分前と全く同じ顔だ。

それが僕の上司である。

いや違う。
今想像している3倍くらいの迫力。
それが僕の上司である。
大好きな僕の上司だ。


そんな上司が今日、涙を浮かべた。
驚いた。
涙とは無縁の人かと思っていたので。

上司が話したのは、
昔の部下の奥さんが子供を残して亡くなったという話
「彼忙しくて、家にもね、なかなか帰れなくて、ね、かわいそうに、
子供はね、まだこんななのにね、、」
声を震わせながら、目には涙がじわっとにじんでいる。
でも涙を目からこぼすことはなかった。
分厚い唇をぐっとして、最後まで話しきった。
そして話し終わった上司に席に戻るように言われ、
僕と先輩は仕事に戻った。
僕は席に戻ってもまだ驚きが収まらずにいて、
複雑な気持ちを続けていた。

3分後。
また上司に呼ばれ、ちょっとだけ、
いつもよりちょっとだけまるい気持ちで上司の所に行った。
するとなんと、普通に仕事の事で叱られた。

180秒間の間にすっかり仕事に戻っていた上司を
今日もまた尊敬しました。

おます。

上司が、おますにハマっています。
「それはよろしおますなあ」を5回

15分間の打ち合わせで5回。
180秒に1回のペース。

おますチャンスを逃さない上司を
今日もまた尊敬しました。

かっこいい女性。

かっこいい女性
http://www.youtube.com/watch?v=gkCNyOC3vKc&feature=related

もしもまた人間に生まれ変わって、そして女性だったらこうなりたいです。

今日のヒーロー。

子供
「ねえヒーロー、しあわせって何なの?」

ヒーロー
「へいぼーい、しあわせっていうのはねぼーい、
その人によってまったく違うものなんだへい。
でもジャパンだいたいの人はねこんな風に答えるよ」

子供
「何なに?しあわせって何?」

ヒーロー
「ごはんがおいしいことだよへい」

子供
「ごはん?しあわせはごはんがおいしいこと?」

ヒーロー
「そうだよへい、それとねへいぼーい、
晴れた日に昼寝をする事もそうだよ」

子供
「昼寝?昼寝もそうなの?」

ヒーロー
「そうぼーいだよ、それからねぼーい、
好きな人がいるかい?」

子供
「好きな人?…うんいるよ、えへへ」

ヒーロー
「パチン!へい!それもだへい。それへいもだよ。」

子供
「それもしあわせってこと?」

ヒーロー
「ぼーい、まだまだあるよへいへいへいへい」

子供
「?」

ヒーロー
「友達がいることだよへい。
友達とたくさん遊ぶことだへい。
野球をして汗をかくことへい。
こけてヒザをすりむくことへい。
家にかえることへい。
ばんそうこうへい。
ママへい。パパへい。犬へい。
ごはんへい。ハンバーグへい!
ニンジンへい…。
お風呂へい!ヒザへい!しみるへい!
お風呂あがりへい!扇風機へい!あ゛ぁぁぁへい!
パジャマへい。はみがきへい。スッキリへい!
ねるへい。夢みるへい。
空とぶ夢へい!たーのしいへい!
あ!あれは好きな子へい!一緒に飛ぶへい!
手をつな、ぴぴぴぴぴぴへい!
目覚まし時計へい!ちくしょーへい!
とめるへい。二度寝へい。つづきつづきへい。
ぴぴぴぴぴぴへい!スヌーズへい!
もう起きるへい!
カーテンへい。あけるへい!
ピッカーンへい!晴れへい!晴天ナリへい!
そうだ日曜日だへい!パパ起こすへい。
パパ起きてーへい。パパー!?へい。
んー、んんー。ブッ!へい。
パパのオナラへい。くっさーへい。
パパ起きるへい。
キャッチボールへい!
楽しいへい!くもひとつないへい。
あはははーへい!
へいぼーい!まだまだあるよーへいへいへいぼいぼいぼーい」

子供
「………」

ヒーロー
「?あれ?へ、へいぼーい?」

子供
「………」

ヒーロー
「ぼーいへい?キャッチボール…へい?」

子供
「……zzz」

ヒーロー
「ああ寝てるへい、シィーだへい」

子供
「……zzz」

ヒーロー
「…あれへい、…眠くなってきたへい、
少し寝るかへい。…昼寝へい、よいっしょっとへい
うわあ眩しい、よく晴れて…る…へい…zzz」

子供
「……zzz」
ヒーロー
「……zzz」

初めて。

先週、初めて演出のお仕事をさせてもらいました。
すっげー楽しかったです。
仕事が楽しいって思えて嬉しかったです。
また嬉しく仕事したいです。

募金。

駅でよく大勢で募金を呼びかけています。
僕はあれがあまり好きではありません。
募金をしないと悪いような気持ちになるからです。
募金をしたいと思う事、思ってもらう事が大切だと思うので、
もし僕がやるとしたら何か別の方法を考えたいと思います。

抜鼻。

今日初めて人に鼻毛を抜かれました。
驚くほど痛かったです。
もう誰にも抜かせません、僕の鼻毛。

ドッキリ。

ドッキリのテレビ番組より
まえだまえだ
http://www.youtube.com/watch?v=gZbhGt31lno&feature=related

なぜだろう感動しました。

ぎゃー!

ごみ箱の上でツメを切って、
立ち上がろうとしたらごみ箱倒れて、
さっきのツメがタタミの上に散乱!
ぎゃー!なう

春のつづき。

壊さないようにそっと。
それはガラス製かもしれないし、しゃぼん玉かもしれない。
分からないけれど、とにかく壊さないように。

忘れないで、5月も春です。

笑顔以上。

僕は自分の笑っている時の顔が、
ひどくぶさいくな事は知っていたのですが、
今日はそれ以上の瞬間を見つけてしまいました。

あくびを我慢している時です。

電車の窓に映ったその顔を見ていたら
なんだか涙が出てきました。
あ、ちがうこれはあくびの涙か。

たばこ。

たばこを吸っている人へ

もうたばこはやめたほうがいいです。
あんまりかっこよくないです。
次の一本で、一度やめてみてはどうでしょうか。

世界チャンピオン。

世界チャンピオンが来日した時の貴重な映像
http://www.youtube.com/watch?v=cuDW03GMKHs

ありがとうチャンピオン。元気が出ました。

benpi。

そういえば先週、久しぶりに便秘をしました。
すごく嫌な気持ちでした。吐き気までしました。
肌もあれちゃってホントやだわあ。
溜めずにコツコツとその日のうちにを心がけたいです。

アイフォン。

連休 vol.6 -最終回-

ゴールデンウイークをこんなにも満喫したのは初めてだ。
大人になるにつれ、連休というのはますます素敵だね。

でもまてよ。
休みって何なんだろう。
仕事ではお金を貰って働いているから、
それ以外を休みっていうのかな。
んーなんかおかしいな。
それだと仕事が主役って感じでどうもな。

でもまてよ。
仕事って何なんだろう。そもそも。
あー。考えているとだんだん分からなくなってくる。
その前に、思う事をどんどん書いていってみよう。

パイロット、野球選手、ケーキ屋さん、
お嫁さん、お笑い芸人、医者。
いろいろあるけれどきっとほんとんどの人は、
お金を稼ぐ事が目的じゃないから、
目的は別にあるんだと思う。
その為にお金が必要なだけだったり、
いつのまにかお金が貰えるようになったりするんだな多分。

なので目的によって違うけれど、
仕事は楽しくなくてはいけない人もいれば、
仕事は苦しくても、何だってもいい人もいる。

僕の場合、子供の頃から何かを企てるのが好きで、
人を驚かせたり、喜ばせたりしたかったし、
その事で周りの人にチヤホヤもされたかったので、
ぴったりだと思いデザインという仕事に就いた。
そしてあまり書くべきではないかもしれないけれど、
僕が1番強い思いで目指していることは

もてる人になる。ということ。

これは女性だけでなく、
ろうりゃくなん、ろうら、ろうなく、
えっと、お年寄りから若い人まで、
男女ともできるだけ多くの人に、
素敵と思われたいという事。
それが僕の目的かもしれない。

なので髪の毛にワックスを塗ったり、
チェック柄の服を着たりもしないといけない。
センスのいい腕時計も必要だ。
もちろん!
アイフォンも使いこなせないといけない。
スターバックスの事はスタバと呼ぶし、
ブラックも飲めるようにならないと。
電車ではさくっと席を譲るし、
コンビニでは10円以下のおつりは募金する。
近い将来、車はレトロな希少車に乗っていたい。
すると多少お金も必要だからやっぱり仕事はする。
仕事もまたちょっとお洒落な感じの方がいい。
合コンなどがあれば第一印象が大事ときているから。
休みの日には趣味をして、料理も少しできた方がいい。
ここでは男を出せたら尚いい、焼飯など。
なるべく結婚もして、子供もいるといい。
やっぱりダンスが得意な子供にしたい。
公園では子供達のヒーローになりたい。
なのでサッカーの練習をしとかないといけない。
犬は大きいのと小さいのと。
やっべ、そしたら家いるかもしれないマイホーム。
お金も貯めないといけない。
そしたら奥さんが過度のブランド好きだったら困る。
一ヶ月ごとに記念日だねとか言われると困る。
テレビはあまり大きくなくてもいいけれど、
音にはこだわりたい。良質なスピーカーを買おう。
近所の人に配線をお願いされたらすぐさましよう。
まるまるさんの旦那さんいいわよねえ~
と言われたら、奥さんも鼻が高かろう。
いつか父と母が死んだ時は最高の葬式をして、
来てくれた人にしっかりと刻もう。
まるまるさんの息子さん立派になったわよねえ~
と言われたら、父と母も鼻が高かろう。
そして今書いたすべてのシーンに、
笑顔がなければいけない。トッピングとして。

--------------------
書いていたらキリがないので。

でも書いているうちにだんだん分かってきた。
僕の目的を達成する為には、やるべき事が
たくさんたくさんたくさんあるという事だ。
今の時点で出来ている事といえば、
髪の毛にワックスを塗る事だけじゃないか。
こんなにもやるべき事があるのに。

それから仕事についても少し気がついたような。
僕にとってやっぱり仕事は主役じゃない。
ほんの一部分という感じがする。
だから仕事は結構なんだっていい派かもしれない。
ちょっとお洒落な感じと、
レトロな希少車が買えるくらいのお金が
貯められないといけないけれど。

おそらく、
仕事って何だろう。休みって何だろう。
は、人によってまるで違う。
でも人生とかまじあっちゅうまに終わるけえ、
というのはどの人も割りと同じな気がするので、
ぼうっとしとったらいけんなあ。と思ったGW。

あー、連休最終回だというのに、
このまとまらない感じ。

でもいいか。
また来年のゴールデンウイークに
同じような事を考えてみて、
何か少しでも進んでいたら、
it's ok i see だね。  
(いとをかし)

今度の日曜日には、チェック柄の服を買おっと。

大阪から夜行バスに乗り、僕はまた東京に消えた。

おしまい

タイミング。

連休 vol.5

10歳下の自分に、わかっとるわコツン!と
ゲンコツをしてたこ焼き屋をあとにした。

そんなこんなで岡山では家族友達や
たこ焼き、藤まつり、太鼓など、
なつかしさをたくさん考えて、
時の流れの速さを感じて震えた。
「人生なんてまじであっちゅうまに終わるけえ」
という友達(ヤンキー)の言葉がよぎる。

よおしがんばるぞえいえいおうー!!!

まだあたたかいこの気持ちを冷めないように胸に包み、
僕は東へ出発した。
そして途中、第二の故郷である大阪で会いたい人達に会う。
ここでもまたいろいろな事があったのだけれど、
全部書いていたら指が爆発する可能性があるので
印象的な部分を少し。

baseよしもとという舞台へ友達の漫才を見にいった。
以前から何回か書いた事がある見取り図というコンビだ。
その見取り図が今回単独ライブを行うという。
それは是非見にいかんといけんということで、
きちんとお金を払ってチケットを買った。
会場は人がいっぱいで立ち見まで出ていて、
彼らはもう、しっかりとプロだった。
300人以上いたであろうお客さんの前に2人で出てきて、
300人以上を笑わせる。
彼らの仕事はお笑い芸人、英語ではコメディアン。
僕は舞台に立っている友達を不思議な気持ちで見ていた。
嬉しいようなくやしいような、うらやましいような、
でもははは、まあええわとにかくおもしろい事はたしか。
普通に笑ってしまう自分はもう充分ファンの1人だ。
一緒に見に行ったくにやんも笑っていた。
ちなみにくにやんは友達の相方の友達で、
これもまた不思議な縁で偶然にも4人はリンクしている。
友達にしっかりと1時間笑わされ、満足で会場を出た。

外に出るとまたすごい行列、サインなどを求めてお客さん。

僕はhaaanとイタリア人のようなため息をして、
なぜだか誇らしげに彼にメールを入れた。
「用がすんだら飲みにでもいこうや」

数時間後、彼から電話があり待ち合わせた。
自転車できた彼はすでにふらふら酔っていた。
銭湯にいこうと夜の大阪を歩く。
酔っ払った彼はそこで数々の名言をはいた。
しかもゲップと一緒にだ。
・「顔が中の中でよかった」
・「たぶん売れるとおもっとる、たぶんな」
・「今度ビッグプロジェクトをするで」
・「千鳥さんとかほんまにおもしれー」
・「相方はだいたい120%で返してくる」
など結構普通の言葉だけれど、
今の僕には響く言葉ばかりだった。
それからやっぱり重かった。
芸を1本に絞るって事は勇気のいる事だけれど、
それが出来てる人はその時点でモノホンな気がする。

彼がうしろに乗れと言う。自転車の。

酔っ払った大人が2人乗りで御堂筋商店街。
でもすごく気分が良い、大阪の生温い空気の中、
走り抜ける自転車、夜のお!がっしゃーん!!!!!
やっぱりこけた。大転倒だ。
2人とも自転車に挟まれた形になり、かごに入れていた荷物も吹っ飛んだ。
しばらく笑った。こみあげてくる。
こんなに思い切りこけたのは久しぶりだ。

そして自転車を起こしたり、散らばった荷物や、
ファンレターを拾いながら彼がまた名ゲップをはいた、

「攻めていけよ健太、いけ」

ちょっと待って今のタイミングでそのセリフは、
さすがにかっこよすぎるでしょうと思ったけれど、
この言葉で僕はある決心をした。
今までつかなかったけれど、ようやく。

彼にはそんなつもりは全くなかったと思うし、
何年先になるかも分からないけれど、
この事はきちんとお礼を言おう。

その日は結局彼の家に泊まる事になり、
ようやく彼のゲップも治まったので、寝た。

グーグーグー
zzzzzzzzzzzzzzz

人は守るべきものがある時に強くなるという、
けれど攻めなければ勝てない時もあるのだとしたら、
だとしたら今は多分攻める時だ。
でも不安?
大丈夫大丈夫。
こけてもおもしろかったから。

つづく

ソファー。

連休 vol.4

母が変態ハゲTシャツ男を2階寝室まで送り、
静かになったリビングで僕はソファーに座って雑誌を読んだ。
そのあとワインを飲みながらダーツをして、
チェスの台に置いているチョコレイトを食べた。
そのあとは久しぶりにバイオリンを弾いてみた。
でもちょっと下手になっていたので、
やっぱりピアノを弾いて1曲作ってみた。
とてもいい曲ができたので嬉しかった。

えっとソファーに座った以降は全部嘘だけれど、
それくらいのリッチな気分で夜をすごした。
本当は、なっちゃんを飲みながらジャガビーを食べて
テレビを見ていただけだけれど、
ソファーがあるだけで全然リッチだった。

そして寝た。
朝が来て、なつかしい朝の音がする。
電車の音、風の音、
ガチャガチャと食器を洗う音、
近所の子供達がキャッチボールする声、
鳥の声、祖母の怒鳴り声、
あたりまえに過ごしてきた朝の中にも、
いろいろな音があった事に気がついた。

その日僕はたくさんの人と会った。

そのすべてを書きたいけれど、
長すぎて指が爆発する可能性があるので
印象的な部分を少し。

通っていた高校に行った。
入学したのは10年前だ。
制服も変わっているし、校舎も白く塗られていてキレイになっていた。
部活の帰りによく行っていたたこ焼き屋に行ってみる事になり、
なつかしい道を歩いた。
店に入ると当時とまったく変わらないおばちゃんがいた。
たこ焼きを注文する際に
「僕そこの高校の出身で、よくここ来てたんです、
10年くらい前になりますけど、あはは」
おばちゃんはにこりとして僕の顔をじっと見つめた。
まさか覚えてくれてはいないとは思いながらも、
少し期待してしまい、ドキドキとセリフを待った。
「あー、全然おぼえてないわあ、あはは」
うん、全く覚えてくれていなかった。
でもうん。それはそうだ。
おばちゃんは毎年何百人の生徒にたこ焼きを焼いて、
それかける10の人数の顔を見ているのだから、
当然のこと。

たこ焼きが焼けておばちゃんが声をかけてくれる。
「今は何しとるん?」
「今は東京で仕事してます」
「へー東京にー、がんばってなあ」
「はい、がんばります!」
「あーこれおまけ入れといたから」
「えーありがとうございますう」
おばちゃんはたこ焼きを4つもおまけしてくれていた。
でも無理やりフタを閉めていたので、ぺっちゃんこになっている。

ぺっちゃんこのたこ焼きを食べていると、
心の中で
10年前の僕が僕に何か言いたそうにしていた。
僕は耳をすます。すると聞こえてきた。

「おめー、もっとがんばれや」

とても偉そうに言ってきた。
10歳も年下のくせに。

つづく

リビング。

連休 vol.3

何年ぶりかの親子でのお弁当に
しみじみと浸っている僕のそのすぐ横で、
シャケの大きさを比べていた父とばいばいをして、
僕は家に帰った。

家に帰ると祖母がいたので、
ただいまと言ってお土産の饅頭を渡した。
余談だけれど、岡山では桃太郎の話が有名で、
お土産といえば吉備団子というお国である。
祖母の顔は桃太郎の話に出てくる鬼に似ている。

しばらくリビングで寛いでいると、
祖母が果物を持ってきてくれた。
「さっきもろうてきたんよ」と
近所の鬼仲間にもらってきた果物を食べた。
そうすると今度は祖父がやってきて、3人で果物を囲った。
途中親戚のおばちゃんの話になり、あれこれしかじかで、
晩御飯を4人で食べに行く事になった。
えっとつまり、
祖母、祖母の姉、祖父、僕で食事に行くという事だ。
車を運転して料亭へ行った。
車の中はお年寄りのニオイでいっぱいで、
僕は料亭に着くまでに2歳ほど老けた。

料亭では天ぷらや蕎麦や寿司など
おいしい料理がたくさん出てきた。
おなかいっぱいになり、大満足で家に帰る。

家に帰るとリビングに母がいた。
母は書道家である。
昔からいろいろと活動的で、
硝子玉でアクセサリーを作ったり、
備前焼をしたり、太極拳をやったり、
アートフラワーやケーキ作りをしたりと
多趣味な人だ。
そんな母が書道で何かパフォーマンスをすると言う。
正月に初日の出と同時に海でやると意気込んでいた。
その内容についてしばらくアイデアを出しあった。
母はアーチスト気質なのでこういう話をする時は、
なかなか話ごたえがあるし楽しい。
まだまだこれからが楽しみな母である。

そうしていると父から電話がかかってきた。
「迎えにきて~ん」
酔っている。
藤まつりの打ち上げか何かでベロベロだ。
母が迎えに行き、
その間に僕は昨日の日記を書いたってわけだ。
父が帰ってくる。
完全に酔っているし完全にハゲていた。
母が父をお風呂に連れていくとしばらくして父がお風呂から上がり、
母と僕のいるリビングへやってきた。

その姿を見て僕は目を疑った。
父はTシャツ着て、Tシャツをはいて、
寒かったのか、首にTシャツを巻いていたのである。

Tシャツ3枚。
うち2枚は完全に間違っていた。

このハゲ、

つづく