リビング。

連休 vol.3

何年ぶりかの親子でのお弁当に
しみじみと浸っている僕のそのすぐ横で、
シャケの大きさを比べていた父とばいばいをして、
僕は家に帰った。

家に帰ると祖母がいたので、
ただいまと言ってお土産の饅頭を渡した。
余談だけれど、岡山では桃太郎の話が有名で、
お土産といえば吉備団子というお国である。
祖母の顔は桃太郎の話に出てくる鬼に似ている。

しばらくリビングで寛いでいると、
祖母が果物を持ってきてくれた。
「さっきもろうてきたんよ」と
近所の鬼仲間にもらってきた果物を食べた。
そうすると今度は祖父がやってきて、3人で果物を囲った。
途中親戚のおばちゃんの話になり、あれこれしかじかで、
晩御飯を4人で食べに行く事になった。
えっとつまり、
祖母、祖母の姉、祖父、僕で食事に行くという事だ。
車を運転して料亭へ行った。
車の中はお年寄りのニオイでいっぱいで、
僕は料亭に着くまでに2歳ほど老けた。

料亭では天ぷらや蕎麦や寿司など
おいしい料理がたくさん出てきた。
おなかいっぱいになり、大満足で家に帰る。

家に帰るとリビングに母がいた。
母は書道家である。
昔からいろいろと活動的で、
硝子玉でアクセサリーを作ったり、
備前焼をしたり、太極拳をやったり、
アートフラワーやケーキ作りをしたりと
多趣味な人だ。
そんな母が書道で何かパフォーマンスをすると言う。
正月に初日の出と同時に海でやると意気込んでいた。
その内容についてしばらくアイデアを出しあった。
母はアーチスト気質なのでこういう話をする時は、
なかなか話ごたえがあるし楽しい。
まだまだこれからが楽しみな母である。

そうしていると父から電話がかかってきた。
「迎えにきて~ん」
酔っている。
藤まつりの打ち上げか何かでベロベロだ。
母が迎えに行き、
その間に僕は昨日の日記を書いたってわけだ。
父が帰ってくる。
完全に酔っているし完全にハゲていた。
母が父をお風呂に連れていくとしばらくして父がお風呂から上がり、
母と僕のいるリビングへやってきた。

その姿を見て僕は目を疑った。
父はTシャツ着て、Tシャツをはいて、
寒かったのか、首にTシャツを巻いていたのである。

Tシャツ3枚。
うち2枚は完全に間違っていた。

このハゲ、

つづく

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