連休 vol.5
10歳下の自分に、わかっとるわコツン!と
ゲンコツをしてたこ焼き屋をあとにした。
そんなこんなで岡山では家族友達や
たこ焼き、藤まつり、太鼓など、
なつかしさをたくさん考えて、
時の流れの速さを感じて震えた。
「人生なんてまじであっちゅうまに終わるけえ」
という友達(ヤンキー)の言葉がよぎる。
よおしがんばるぞえいえいおうー!!!
まだあたたかいこの気持ちを冷めないように胸に包み、
僕は東へ出発した。
そして途中、第二の故郷である大阪で会いたい人達に会う。
ここでもまたいろいろな事があったのだけれど、
全部書いていたら指が爆発する可能性があるので
印象的な部分を少し。
baseよしもとという舞台へ友達の漫才を見にいった。
以前から何回か書いた事がある見取り図というコンビだ。
その見取り図が今回単独ライブを行うという。
それは是非見にいかんといけんということで、
きちんとお金を払ってチケットを買った。
会場は人がいっぱいで立ち見まで出ていて、
彼らはもう、しっかりとプロだった。
300人以上いたであろうお客さんの前に2人で出てきて、
300人以上を笑わせる。
彼らの仕事はお笑い芸人、英語ではコメディアン。
僕は舞台に立っている友達を不思議な気持ちで見ていた。
嬉しいようなくやしいような、うらやましいような、
でもははは、まあええわとにかくおもしろい事はたしか。
普通に笑ってしまう自分はもう充分ファンの1人だ。
一緒に見に行ったくにやんも笑っていた。
ちなみにくにやんは友達の相方の友達で、
これもまた不思議な縁で偶然にも4人はリンクしている。
友達にしっかりと1時間笑わされ、満足で会場を出た。
外に出るとまたすごい行列、サインなどを求めてお客さん。
僕はhaaanとイタリア人のようなため息をして、
なぜだか誇らしげに彼にメールを入れた。
「用がすんだら飲みにでもいこうや」
数時間後、彼から電話があり待ち合わせた。
自転車できた彼はすでにふらふら酔っていた。
銭湯にいこうと夜の大阪を歩く。
酔っ払った彼はそこで数々の名言をはいた。
しかもゲップと一緒にだ。
・「顔が中の中でよかった」
・「たぶん売れるとおもっとる、たぶんな」
・「今度ビッグプロジェクトをするで」
・「千鳥さんとかほんまにおもしれー」
・「相方はだいたい120%で返してくる」
など結構普通の言葉だけれど、
今の僕には響く言葉ばかりだった。
それからやっぱり重かった。
芸を1本に絞るって事は勇気のいる事だけれど、
それが出来てる人はその時点でモノホンな気がする。
彼がうしろに乗れと言う。自転車の。
酔っ払った大人が2人乗りで御堂筋商店街。
でもすごく気分が良い、大阪の生温い空気の中、
走り抜ける自転車、夜のお!がっしゃーん!!!!!
やっぱりこけた。大転倒だ。
2人とも自転車に挟まれた形になり、かごに入れていた荷物も吹っ飛んだ。
しばらく笑った。こみあげてくる。
こんなに思い切りこけたのは久しぶりだ。
そして自転車を起こしたり、散らばった荷物や、
ファンレターを拾いながら彼がまた名ゲップをはいた、
「攻めていけよ健太、いけ」
ちょっと待って今のタイミングでそのセリフは、
さすがにかっこよすぎるでしょうと思ったけれど、
この言葉で僕はある決心をした。
今までつかなかったけれど、ようやく。
彼にはそんなつもりは全くなかったと思うし、
何年先になるかも分からないけれど、
この事はきちんとお礼を言おう。
その日は結局彼の家に泊まる事になり、
ようやく彼のゲップも治まったので、寝た。
グーグーグー
zzzzzzzzzzzzzzz
人は守るべきものがある時に強くなるという、
けれど攻めなければ勝てない時もあるのだとしたら、
だとしたら今は多分攻める時だ。
でも不安?
大丈夫大丈夫。
こけてもおもしろかったから。
つづく
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