じぶんで言ってじぶんでつっこむ的な。
中学生の時、
おかべくんとおかべくんの家で遊んでいたら、
「むっちゃすっぺージュースあるけどいる?」
とオレンジジュースのような黄色い飲み物をだしてくれた。
僕は「なんなんこれ、そんなにすっぺん?」と聞いた。
あまりすっぱいものが得意ではないので少し躊躇い、
あ、ごめんなさい躊躇なんて漢字初めて使いました、
少しためらい、またおかべくんに聞いた。
僕
「ほんまなんなんこれ、のめるん?」
おかべ
「のめるよ、外国のジュース、むっちゃすっぺーよ、
たぶん世界一すっぺーんじゃねーかと思う」
余談だけど、このようにおかべくんは自分でハードルをあげることが多い。
僕
「ええ、こえーな。ちょっと先に飲んでみて」
当時から僕はヘタレでびびりだったので、
おかべくんに先に飲むように言った。
「ええよ、じゃあ飲むわ」
おかべくんはそう言って黄色いジュースをほんの一口飲んだ。
そして次の瞬間だ、今でも忘れられない光景を見せた。
なんと、膝がカクンとなってその場に倒れこむように片膝をついたのである。
僕はすぐに叫んだ。
僕
「いやうそつけ!自分で世界一とか言うからそんなことなるんよ!」
「すっぱさアピールがすごいわ!」
「はっきりさせとくけど人間はすっぱさでは片膝にならん!」
僕がそう言うと、おかべくんはスっと立ち上がり、
じゃあ飲んでみろといった顔で僕にそのコップを渡した。
仲がよいので彼がうそをついているのはすぐに分かった、
そのことから、僕は自信満々にそのジュースをゴクっと飲んだ。
うう!すっぺー。たしかにすっぺー!
こんなにすっぱいとは思わんかった!
でもな。やっぱり確信した。
膝がカクンとは絶対にならん。
人間はすっぱさでは片膝にはならん。
そう心に強く刻んで、もう一度おかべくんにコップを返した。
それでもおかべくんは一口飲んで、また膝からくずれた。
おわり
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すっぺ
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