おっちょこちょい。

昨日はひさしぶりに上司とお昼にいった。
「なんか変わったもん食べたいわ」
と、上司がわがままを言うので会社から少し離れたビルに入った。
そしてわがまま上司がここにしようと、
多国籍なタイプの料理屋に決める。

僕はチキンカレーとナン、
先輩は温野菜のなんとかランチ、
上司はレディースセットを注文した。

料理が運ばれてくる。
よしいいぞ。おいしそうなニオイだ。
上司も「わたしのだけ杏仁豆腐ついてる」
と、デザート付きなことを女の子のような口調で
自慢し笑っている。

食べてみるとまたおいしい。
僕はナンがおいしくて、おかわりまで頼んだ。
すると上司が僕のことを、くいしんぼうだと言い始めた。
そのあと、おっちょこちょいだとも言った。
ちょっとまって上司。
くいしんぼうはいいとして、おっちょこちょいってどゆこと。
ナンを2枚食べただけですやん。
言おうと思ったけれど、まあいいかと思い、あははと笑っておいた。

そのあとしばらくおいしく食べ続け、後半になると、
突然上司が変な声で「すっ!」と言った。
なにごとかと思い、横に振り向くと、
なにごとも無い顔をした上司が普通に杏仁豆腐を食べている。
おかしいなと思ったけれど、まあいいかと思い、
僕は自分のチキンカレーを食べ終えた。

まだ上司と先輩は食べ終わっていなかったので、
そういう時間、僕は店内の照明や壁にかけている絵を見るようにしている。
するとふと、隣に貼ってあったメニューに目がいく。
それを見て僕はハッとした。
そこには上司が今食べているレディースセットの内容が書かれていた。
本日のランチ+サラダ+ドリンク
+デザート(自家製ヨーグルト)
ん? んん? ヨーグルト?
「わたしのだけ杏仁豆腐ついてる」という自慢を思い出す。
頭の中でつながり、頭の中で叫んだ。

「上司!さっき突然、すっ!って言ったの、
あれ杏仁豆腐食べるくちでヨーグルト食べたからちゃいますのん!
甘いくちで構えてたら突然ヨーグルトだったから、
すっぱい!って言おうとしたんやん!
でも部下達には杏仁豆腐として自慢してしまったから、
隠しましたやん!杏仁豆腐として食べてますやん!
でも今黙って食べてるそれ、絶対自家製ヨーグルトですやん!
もう一度言います!それ絶対自家製ヨーグルトですやん!
このタイプの店の自家製は、だいたいすっぱいんじゃ!
この、、この、、このおっちょこちょい!」

頭の中で叫んだらスッキリして、
僕は瞳を閉じながら口を拭いて、
上品にひとくち、水を飲んだ。


おわり

2 件のコメント:

モンリー さんのコメント...

職場のお弁当中、本気で肩を震わせて笑ったの、初めてだよ。

後半は笑いが我慢できず読めませんでした。

後日改めます。

bosarl さんのコメント...

モンリーさん

はははー笑やったー。
おっちょこちょいな上司でおもしろいです。
今度また書きますね。笑
モンリーさんもまた会社のおもしろエピソード教えてくださいね。