今日のヒーロー。

子供
「ねえヒーロー、なんで人は同じ形をしていると思う?
なんの為にこの形なの?」

ヒーロー
「へいぼーい、そんなことが気になるのかいへい」

子供
「うん、きゅうに気になりはじめたんだよ」
「からだのいろんな所はどうしてこうなんだって」

ヒーロー
「へいはははぼ-い、おもしろいことをいうぼーい、
そしたらまずきみの見解を話してごらんへい」

子供
「うーん、まだよく分からないんだけどね、
指はさあ、じゃんけんをしたり物をつかんだりでしょお、
パーを出すにはてのひらも必要だし、ひじがなければ腕相撲もできない。
それから足は歩いたり走ったりするから、移動の為に。
目はきれいな景色を見たり、教科書を読んで勉強をするため、
口はご飯を食べたり、歌をうたう。耳はないしょの話をきく。
ママなんかはイヤリングをつけることもあるでしょお。
それからねえ、鼻は赤ちゃんのにおいをかぐとき。
僕は赤ちゃんのにおいが好きなんだ。ほっぺに鼻を近づけて
くんくんとするととてもいいにおいがするよ。
あと悩んだときは頭を使うよ。
ママに叱られないためにはどうするべきかって。
それからね、うーん。」

ヒーロー
「いいよ なるほどへい、つづけて」

子供
「ここからがむずかしいんだ、
どうして羽がないのかってはなしなんだけど」

ヒーロー
「はね?羽が欲しいのかい?ぼーい」

子供
「うん、はねがあれば空が飛べるからね」

ヒーロー
「なるほどへい」

子供
「でも人に羽はないんだ。それはわかってるよ、
それが人だからね、人は空を飛ばないからね。
どうように、水にも潜らない、背びれがないからね。」

ヒーロー
「そうだねぼーい、そうだへい」

子供
「もし人に羽があったり、背びれがあったらどうかな」

ヒーロー
「へいぼーい、それはさぞ楽しいへいだろうね」

子供
「うん、きっとすごく楽しいんだけれど、
それはちょっと贅沢だなと僕は思ったんだ」

ヒーロー
「贅沢?どうしてへい?」

子供
「だってね、空には鳥がいるし、海には魚がいるから
空を飛ぶのは鳥のとっけん、水に潜るのは魚のとっけんだと思うんだよ」

ヒーロー
「なるほどへい、とっけんかへい、
すると人のとっけんは何だろうかぼーい?」

子供
「そう、そこにたどりついたんだ、
それで分からなくなって困っていたんだよヒーロー、
どうして人はこの形なんだってね」

ヒーロー
「なるほどねぼーい、きみのいわんとしていることは、
だいたいわかったよへい、
まず整理してみよう」

子供
「うんヒーロー」

ヒーロー
「人には羽がない背びれがないそして、
鳥は空を飛べる、魚は水に潜れるへい」

子供
「うん」

ヒーロー
「人にあるのは何だろうへいと考えると、
指や足、肘や腰、目や鼻、頭だね」

子供
「うん、それがある。
でもそれはとっけんとまでは言わないんじゃないかな」

ヒーロー
「今日はへい、
やけに とがるねぼーい、そのとおりだへい、
目や鼻は人いがいもみんな持ってる」

子供
「うん、赤ちゃんのにおいをかぐことも、
とっけんとまではよべないかと思うんだ」

ヒーロー
「でわ、じゃんけんをする事はどうだへい?」

子供
「んー、たしかにじゃんけんは人にしかできないかもしれない」

ヒーロー
「そうすると、じゃんけんが人の
とっけんということになるかなぼーい」

子供
「うーんでもそれはなっとくできないよ、
空を飛ぶことと、じゃんけんをすることじゃあ
まるでつりあわないよ」

ヒーロー
「のんのんぼーい、そうかなへい」

子供
「そうだよ、つりあわない」

ヒーロー
「へいぼーい、そんなことはないよ」

子供
「そしたらじゃあ、
じゃんけんが人のとっけん?」

ヒーロー
「のんのんへい、そうじゃない」

子供
「?」

ヒーロー
「じゃんけんのあとにはへい、何がある?」

子供
「じゃんけんのあと?」

ヒーロー
「そうだへい、じゃんけんのあとには何があるぼーい?」

子供
「んっとえっと、たとえば、あっち向いてほいとか?
あと鬼ごっこをするときとかかな」

ヒーロー
「御名答」

子供
「それから、家ではお兄ちゃんと何かを決めるときにするよ、
いちごはどっちが食べるかとか、
どっちが先にお風呂に入るだとかね」

ヒーロー
「わんだふるへい。すごいね、ぼーい」

子供
「すごい?何がすごいの?」

ヒーロー
「じゃんけんはすごいねぼーい」

子供
「?」

ヒーロー
「なぜならねへい、じゃんけんは人をいっしゅんにして鬼に変えたり、
お風呂にいれたり、いちごを食べることもできる。
いちごを食べるとぼーいはどうなるへい?」

子供
「それはとっても嬉しいよ。
いちごはだいこうぶつだから、ほっぺが落ちそうになるよ」

ヒーロー
「はははへい、その時きみはきっと笑っているねぼーい」

子供
「えへへ、うんきっと笑ってる」

ヒーロー
「そうだへい、そこにたどりつく、
いちごを食べることができて、
食べたらおいしくて嬉しくてへい、笑うへい」

子供
「ただし負けたときは涙がでそうになるけれどね」

ヒーロー
「うんうんへい、そうだねぼーい、
じゃんけんに負けるとくやしいだろう。
涙がでそうになるほどにねへい」

子供
「うんそうだね。
なんだか、
じゃんけんがすごいものな気がしてきたよ」

ヒーロー
「-さてへい、ここで話を戻そうへい、
とっけんについてだへい。
羽は何のためにあるんだったかぼーい?」

子供
「空を飛ぶため」
「空中から虫を探したりね」

ヒーロー
「うんそうだね。
すると、じゃんけんは何のためにあるんだへい?」

子供
「んー、、
それはだから、さっき、
あっち向いてほ、、、
あ!
そうか!!」

ヒーロー
「パチン!ぐれーと!」

子供
「いちごを食べるためだ、そしておいしくて笑うため!
笑うためだ!
それからいちごを食べれないためだ、
くやしくて涙をながすため!
ながすためだ!」

ヒーロー
「そうだへい!つまり。
それが人のとっけんだ」

子供
「そうか。そうだったんだねヒーロー、
人のとっけんはそこだったんだ」

ヒーロー
「にこにこー!へい。そうだへい、
そして赤ちゃんのにおいをかぐ鼻や、
きれいな景色を見たり、教科書を読むための目も
どうように、その為にあるんだへい」

子供
「わかったよヒーロー、わかった、
人がどうしてこの形なのか、」
「僕わかったよ」

ヒーロー
「さすがだぼーい、ぐれーとぼーいだ」

子供
「えへへ」

ヒーロー
「にこにこー!」

子供
「ありがとうヒーロー。
また教えてもらっちゃった。
いつも教えてくれてありがとう!
あ!見てヒーロー!飛行機だ!
くぅわっこいいー!」

ヒーロー
「くぅわっこいいー!」
「そうだ!ぼーい、じゃんけんをしないかへい!」

子供
「じゃんけん?」

ヒーロー
「もしきみが勝ったらへい、
あそこの自動販売機で、ペプシを買ってあげよう」

子供
「わーほんと!ようし!
ぜったい勝つぞー!」

ヒーロー
「いざ!尋常に。まいる!」

子供
「いざ!」

ヒーロー&子供
「さいしょはグー!!!!」





「チュンチュン」

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