高校の時、とても厳しい先生がいた。
ラグビーをしていて筋肉モリモリ。
熱い指導に定評のある、社会科教師である。
彼は教室でよく怒鳴った。
「んば!しゃとぅぉれぇ!」
「こるでけぁめめっつくりぇ!」
「の!んば!んば!」
「んばぉきぃ!」
「シャトレーしゃとぉれぇー!」
「とちばなもねな!」
「わからんのんなら、ううてくるぇ」
「んば!ちとけい!ちっとけい!」
本当に滑舌が悪く、方言も相まって1年生の時は全く聞き取れなかった。
けれど不思議と3年生の頃には聞き取れるようになっていた。
上の怒鳴り声はつまりはこう言っている。
「なんば!シャツを入れろ!」
「これだけはまもってくれ!」
「なあ!なんば!なんば!」
「なんば起きろ!」
「シャツ入れい、シャツを入れい!」
「たちばなも寝るな!」
「わからないなら言ってくれ」
「なんば!ちょっとこい!ちょっとこい!」
10年近くたった今、その先生に教えられた社会の授業は全く覚えていない。
でもその先生のおかげで思い出せる事がたくさんある。
高校生はシャツを入れなければダメなこと、
なんばは本当によく寝ていたこと、
その影にかくれてりゅうくん(たちばな)もよく寝ていたこと、
その授業では教室がすごく蒸し暑かったこと、
そして学校が毎日すごく楽しかったこと。
今も昔も、その先生の事はどちらかと言うと嫌いだけれど、
あと10年後にはもしかしたら好きになってるかもしれないな。
なんて。
今度なんばとりゅうくんに会った時は、
あいつ、ほんま何言うとるか分からんかったけど、
今考えたら結構おもしろかったよな。
と言ってみよう。
それから高校生がシャツを出しているのを見たら
勇気を出して、「シャトレー」と言ってみよう。
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