デザイナーの同期とのやりとりで彼のいる席まで行くと、
机のまわりが資料やサンプルですごいことになっていました。
足の踏み場もないという言葉がありますが、
それのオフィス版、ひじの置き場もないといった感じです。
それでもパソコンの上には自分の好きなこだわりのフィギュアが飾ってあり、うわあこれぞデザイナーという雰囲気がでていてかっこいいなと思いました。
用を済ませ、自分のフロアに戻りながら、
ああいいもん見れたでー、なまのデザイナーはやっぱりいいなー、などと思っていたら、自分も同じ職種だということに気がつきました。
そういえば自分もそうだったんだった。と。
(だったんだったってなにー)
そういえば僕は、ひとつの夢を叶えたんでした。
ただ漠然と中学校の時に決めた夢、
デザイナーになるという目標を、僕は叶えたんだったんでした。
(だったんでしたってなにー)
それでもなんだかんだと入社の時は引越しなどでバタバタしていたし、
入社してからもバタバタしていて時間がたつのが早すぎてしまって、
きちんとおめでとうと言えていなかったように思います。
自分に。おめでとうと。
それからデザインから最近はディレクションのような仕事、
まだまだひよっこだけれど手伝いさせてもらえるようになって、
新規ブランドのネーミングやロゴのアイデアやコンセプトなどを考えてプレゼンしたり、事業の大きなお金の計画や、他の会社のリサーチ、
仕事の幅もぐんと広まってあれやこれやになってきて、
でもそしたらますます時間がたつのが早くなってしまって、
朝起きて仕事して夜寝て朝起きて仕事してふぉぉー。
朝起きて仕事してふぉぉー。
ひょっとしたらあれに似ているのかもしれないです。
ハムスターで言うところの、くるくる回るやつ。
たしかに走っているんだけれど、汗はすごい出ているんだけど。
あんまり景色が変わらないというか。
音で言えば、サクサクしていて、モヤモヤしていて、
それでいてソリソリしていて(ソリッド)、
えっと、だから、バタバタしていて、それでその。
何かが違うんです。
こうじゃないんですきっと。
僕がなりたいのは、多分もっとリアルなもの。
時間がたつのを体で頭で心で、じんわり感じるような、早いとか遅いとかではなく深さを感じるような。
走るっていうのがまず違うんです。
僕は歩くの方が好きなので。
音で言えば、テクテクで、縦横無尽、自由でなくっちゃあ。
それから味で言うところの、コクのあるっていう表現。
そういうところにたどり着きたいのです。
インスタントじゃあちょっと難しい、
人の手で煮込まなきゃあならなくて、
つまりは食べてくれる人の顔を思い浮かべて。
そうだからつまり、今の仕事は自分には少し大きすぎて、
ざっくりとしすぎていて、それでいて時間も無くて、
コクを出すのが少し難しいのだと思います。
でも逆に、そういうことに気がつけたので今の仕事に就いて良かったとも思っています。企業のノウハウを学べたし、大人のマナーも教えてもらったし、同期の大切さや後輩の可愛さにも気がつけたし、夜になると360度の夜景が見れるし、良かったと思っています。
でもいつまでもそれだけではいけません。
やりたいことがあるなら、目指したい風景があるなら、
それに向かって歩きださないと。
僕はボサール。
くるくる回るやつから降りて、丘を目指すよ。
いつも水やたねをくれたご主人に感謝して、
もうちょっと したくをしたら、ここを去るよ。
おわり
PS:何も知らない田舎の少年が、青山の高いビルから精一杯背伸びして、
ぐうっと首を伸ばして見えたのは、何だと思いますか。
僕が見たのは、反射して写った自分の姿です。
精一杯背伸びして、ぐうっと首を伸ばしている自分でした。
(頭が大きいのに、おしゃれしようとして大きなパーマをしているので4頭身)
(あとシンプルにおしりが長い)
おわり
8 件のコメント:
◎
泣けるやん。
これ 好きすぎる。はっとした。
わたしもデザインの仕事に関わってた時、
同じような感覚をあじわったよ。
今はしゃしんのお仕事に変わって、
少しだけなんかつかんだ感じしてます。
まだぬるぬるしててつかみきれてませんが。
みみこさん
これはラッキーボール?
ありがとう。
すうやまさん
木綿のハンカチーフ送ります。
(弊社仕様)
atelier nae さん
わあコメントありがとうございまー!
はっとしてもらえて嬉しいです。
今度はひっとしてもらったり、ふっとしてもらったり、
ハ行を制覇できるようがんばります。
SUさん
コメントありがとうございます。
suさんも同じような環境、そして今はそれを変えられたんですね。素敵です。
ぬるぬるがいつか取れて、しっかりと掴めたらいいですね〇
油汚れならジョイ買えばいいけれど、
そう簡単にはいかないんですね。
応援してます!
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