今日の島。

人から聞いた、ある島の話。

「10回島」

その島に住んでいる人は好き同士になると、
あと10回しか会ってはいけないというきまりがあるそうです。
「昔からのきまりなので」と島の長は言います。
つまり、友達や家族とはいつでも会えるけれど、
恋愛はだめ。恋に落ちたその日から、
残り10回しか会えなくなるってわけです。
そこでみんなさまざまな方法を考えるのですが、
結局11回目に会った2人がどうなるのかは、誰も知らないそうです。
10回目に涙を流してお別れをするというのが島の常識だと言います。

ですがその島には、出会って20年になる2人の夫婦がいるそうです。
愛し合う2人がどうしてそんなに長い間一緒にいられるのか、
島中のみんなが不思議で仕方ない様子。
その2人が先日、とうとうタネをあかしたそうです。
その2人はこう言います。
「わたしたちはねえ、出会ったその日に恋をしてね、」
「その日からずっと一緒にいるんだよ、」
「何をするのも一緒、食事やおふろだって一緒さ、」
「だからねわたしたちはまだ1回目を続けているんだよ」

島の人達はそれを聞いてびっくり。
「なるほどこいつは1本とられたな」


でもある若者のカップルがこう言いました。
「えーでもそれってチョー束縛じゃねー?
めんどくせーよそんなの!なあ!
そんな事したらダチと遊べねーじゃん!
会いたきゃ会えばいんじゃねー?
ちなみにオレらは今日で12回目だよ!」

どこの島でも次の時代を作るのは若者だと言っていました。

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