肩幅の話。

この間、
りゅうくんとまいちゃんが結婚したので、
岡山に帰ってきました。
ふたりとも高校の同級生で、
高校一年生のときからずうっとお付き合いをしていて、
それでようやく結婚しました。
ふたりの姿を見て、すごく感動しましたし、それ以上におもしろかったです。
りゅうくんは世界で1番おもしろいので、まわりの友達も皆おもしろいのです。

まず最初におもしろかったのは、なんば。
なんばは結婚式にダメージジーンズで来ました。
ボロボロのダメージジーンズです。
こんなことってあるんだと最初は目を疑いました。
そして相変わらず、すごいあほだなと思いました。
高校の時は昼休み以外はずっと寝ていて、
多分もうそれは皆が見慣れてしまって、
体育の時間誰にも気づかれず教室に置き去りになっていました。
本物のあほさ、それが彼にあります。

それから次におもしろかったのは時長。
彼はかっこうをつけて、買ったばかり新車で来ました。
でもシートのビニールがつけたままで逆にださかったです。
それで車庫入れに緊張して10分くらいかかりました。
後ろに渋滞ができていてこっちが恥ずかしかったです。
すると時長は余計慌ててしまって、
車から十数メートルも離れて歩いている通行人(女性)に、
ちょろちょろすな!と怒っていました(車内で)。
ださ!なにもかもださかったです。
どんな人間にも、必ず1つくらいはかっこいい部分があります。
それが時長には見当たりません。
100%の純度なのです。
本物のだささ。それが彼にはあります。

それから会場に行くと、のりお。
のりおの田舎くささ。
名前、顔、声。どれをとっても田舎くさいです。
高校のときのグレゴリーの赤いリュックサックも田舎くさかったし、
2次会を抜けて帰る理由が、明日朝から釣りじゃけえ。
いや田舎くささ。
何を釣りにいくのかを聞くと、ブラックバス。
いや田舎くささ。
誰といくのかを聞くと、弟と、弟の友達と。
いや田舎くささ。
本物の田舎くささ、それが彼にはあります。

それからまさちゃん。
まさちゃんのサラサラ感。
一家で逮捕されそうになった友達に、
結婚式という愛でたい場で本人に直接聞く行為。
そのさらさら感。
本人が嫌がって、まあその話は今は…。
と言ったあと5分後に同じことを聞く行為。
そのさらさら感。
少し酔って持論を語りだして、
「売れるとかそんなこと意識して自分のやりたいことを変えるよりも俺は常に自分のやりたいことだけをする。それでだめならまた考えればいい」
と言ってるところに女性が通りかかり迷わずスっとふくらはぎを触る行為。
そのさらさら感。
ジャルジャルのことをジャルジャルさんと呼ぶ行為。
千鳥のことを千鳥さんと呼ぶ行為。
そのさらさら感。
本物のさらさら感、それが彼にはあります。

それから豊。
その圧迫感。
顔のでかさ、体のでかさ、髪型。
その圧迫感。
苗字が竹之内。竹之内 豊。
その圧迫感。
男が集まったら胴上げせにゃあおえまあ!と言う発想。
その圧迫感。
りゅうくん出てきたら9階ぐれーまでぶち上げるから男はこっちに集まれえ!と叫ぶそのメンタル。
その圧迫感。
本物の圧迫感、それが彼にはあります。

このように、りゅうくんのまわりには本物ばかりが集まっているのです。
そして主役のりゅうくんの、そのりゅうくん感。
緊張しているのか疲れているのか、
マイクきてもなにひとつとしておもしろいことを言わないもったいなさ。
そのりゅうくん感。
三次会のカラオケで奥さんのまいちゃんが、
ELTのfragileの
<「愛しい」だなんて 言い慣れてないケド今なら言えるよ 君のために となりで笑っていてくれるのならば これ以上 他に何も要らないよ  出逢えたことから 全ては始まった 傷つけあう日もあるけれども 「いっしょにいたい」と そう思えることが まだ知らない明日へと つながってゆくよ こんなにこんなに 君を好きになって 本当に本当に ウレシイから たとえば この先くじけてしまっても にぎりしめたその手を もう離さない>

それを唄ってくれて、それがすごいうまくてかわいくて、
感動して、もう本当に羨ましいと思ってりゅうくん見たら、隣で白目で寝てるというもったいなさ。
そのりゅうくん感。
一生に一度の最高のfragileを聞き逃すそのもったいなさ。
そのりゅうくん感。
豊がガッツだぜ歌っている時に目を覚ますそのもったいなさ。
そのりゅうくん感。
と、豊の圧迫感。
あとまいちゃんのfragileのあとにエグザイル歌うなんば。
そのあほさ。
サビ前で店員にドリンクを大量に持ってこられてドア側のなんばは一体どうするのかなと思ったら、サビまでしっかり歌いきるなんば。
そのあほさ。
店員を待たすなんば。立ったままエグザイル聞かされる店員。歌うなんば。
そのあほさ。
結局そのエグザイルで、りゅうくんの結婚祝いは幕を閉じました。


りゅうくんとまいちゃんを見送ったあとにはもうとっくに終電はなくなってしまっていて、
僕はなんばと一緒に、時長の新車で送ってもらうことにしました。
車内で、なんばと時長に明日の予定を聞くと、
なんばは朝5時の始発新幹線で東京旅行。
時長はこのまま僕たちを送ったあと関西空港まで行ってそのまま韓国旅行。
と言うので僕は度肝を抜かれました。朝の4時に。
2人とも、どんな状況でカラオケしとったん!
スケジュール感どうなってるん!
ようあんな丁寧にエグザイル歌いきれたな!
あと式のあとそのまま旅行て、
新郎新婦みたいなことせんでええわ!
ええかげんにせえ!

ほんっっっま!あほばっかり!
いつまでも好きじゃわ。

おわり





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あとがき

今回の帰省で気づいたこと。
僕は東京や大阪でかっこいいものや、
かっこいい人にたくさんめぐり合い、
お洒落でイケてる最先端に、
これでもかというくらい両目をひらいて、
もう充血して、結膜炎にもなりながら、
そして両手を広げて憧れて、肩コって、
走って走って今でも走っているけれど、
もしかしたら、
ひょっとしたら僕は本当は。
目を閉じたいんじゃないかということ。
それで自分の肩幅と同じぐらいか、
もしくはそれより少し小さいものを、
思いきり抱きしめて、
目を閉じたいのかもしれないということ。
本当の本当の、本当は、
多分ずっとそれを思ってる。

岡山のあほの友達たちを見ていると、
そんなふうに思えたんです。

ため息みたいに、好きだなあって思う。
そういう時に僕はきっと目を閉じるんです。
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10 件のコメント:

シャックラー さんのコメント...

かいたねーー

かなもりあや さんのコメント...

地下鉄に揺られながら泣きたくなりました、
ミムさん有り難うございました。

bosarl さんのコメント...

シャックラーさん

かいたよー、ひさびさに書いたから勢いあまって長くなりましたー!

bosarl さんのコメント...

かなもりあやさん

読んでくれてありがとう。
ここだけの話、本当は、
あとがきって書いてある部分が本文で、
その前の部分はまえがきなんだ(^-^)

泣きたくなる時はきっと、正直な自分がすぐそこまで来てる時なんだよ。手をのばせば届くほどに。
だからそっとつかまえて、本音を聞いてみるといいよ。
ゆっくりちゃんと聞けば、きっと答えてくれるはずだよ。

ありがとう。

あまぐも さんのコメント...

まぶしいものがあるから、
そうでないもののとうとさを感じられると
思うのです、
わたしは。

目を閉じてもいいと思うのです、
わたしは。

目を閉じても
口を噤んでも
耳を塞いでも

たいせつなものは
変わらずに
そこに
あります。

モンリー さんのコメント...

あとがきに共感。
地元で、いつまでたっても恋人ができない残念な友人や、時間のルーズさが半端ない友人や、不幸を自虐ネタ変えちゃう奴や…
温かさや人情が溢れていますね。


本題
ブログ再開、今日気づきました。

bosarl さんのコメント...

あまぐもさん

お返事が遅くなってごめんなさい。
コメントありがとうございます。
とても言葉を大切にされている方ですね。

本当。そうですね、
僕も今がなければ気づけなかった気持ちがたくさんあります。
そしてそれに気がついた今、
僕のできることは、多分、
今を抱きしめることです。

そうやって大切なものを信じて、
いれたらいいなと思います。

bosarl さんのコメント...

モンリーさん

うん。人情、人間らしいよね。
自分の肩幅を分かっているというか、
んー表現が難しいけど、
温度の伝わり方がいいんだと思う。
熱っぽい時はおでこを触って、自分より熱ければ熱。みたいな。
シンプルなんだろうな。

ん?なんかよく分からないコメントになったごめん!また日本語練習する!

匿名 さんのコメント...

知らん間に再開…出遅れた!!
これからゆっくり
ほほえみながら読ませていただきます。

わたしは地元から離れて生活を
したことがないので
ほんとうはもっとたくさんのものを
見逃しているのかな…と思いました。

いま目の前にあることや
そばにいてくれるひとたちを
おもいっきり大切にしたいと
思いました。

いま、また元気になりました。
ありがとうございます(o^-^o)

bosarl さんのコメント...

riechanさん

はい、再開しました〇
またよんでもらえると嬉しいです。

地元から離れない道、
大都会で暮らす道、
そういった分かれ道がたくさんあって、
それによって見える景色も違ってくるけれど、
でもそれを想う場所はひとつです。
だから本当はきっと一本道なんですよね^

大切にしましょう〇
いつでも最高です。

ありがとうございます。