ワンピース。

僕の勤めている会社は一応ファッションに属する会社なので、
通勤も私服ですし、さすがお洒落な人も多いです。
中には激ミニスカートとか、背中ばっくりのギャル、
さらには教祖のようなひげ長おじさんや、
50年代ロカビリールックのキメキメ青年など、
奇抜な方もよく見かけます。

そんな昨日のできごとです。
会社でエレベーターに乗ろうとしたら、既に3人乗っていて、
ひとりがデニムオンデニムオンデニムのスキンヘッドおじさん、
ひとりが金髪坊主で全身肌色の服を着ている女性でした。
「こわ!いかつ!アパレルっぽ!」
と思い若干緊張していたんですが、
もうひとりが優しい色のカーディガンを着たおじさんで、
灰色のスラックスをゆったりはいて安心感があったのでほっとしました。
小学校の中庭を掃除する係の先生みたいな雰囲気の人です。
途中の階で、先のいかつい2人が降りて、
エレベーター内は僕と優しいおじさん2人になり、ふうと深呼吸をしているうちに、
僕の降りる階になります。
するとその優しいおじさんが開くボタンを押してくれてどうぞと言ってくれました。
とても素敵な紳士だったのでお礼を言おうとパッと顔を見ると、
向こう側の目に鉄の眼帯をしていました。
ななめにかける海賊タイプのやつです。
「いやいかつ!鉄いかつ!めずらし!
鉄のななめタイプのやつめずらし!
あれかな、基本はすごくシンプルにまとめて
あえてワンポイトだけハズす的なあれかな!
いやハズれるか!
インパクトがすごくて根こそぎ持っていかれとるわ!」
と思いながらも、僕はペコリとおじぎをすると、
ニコっとすごく優しい笑顔でおじぎしてくれました。
「いやこわいこわい!もうこわい!
優しさと鉄のバランスこわい!」
と、僕は逃げるように出ていきました。

まさか自分の会社に海賊がいるとは思いませんでした。
おわり

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