敬老。

この間、夜歩いていると雨の中歩くおばあさんがいた。
傘もささずに。
少し気になったけど、追い抜いた。

僕は傘がある。
さっきローソンで買ったから。

一旦道を曲がって10分後くらいにその道に戻ってきたら
まだおばあさんは歩いていた。

僕は勇気を出して傘をあげた。

おばあさんはぼけていた。
でも本当に寒そうだった。
多分みんな通りすぎていたんだろう。
夜遅かったし、少し怖い感じもあったから。

でもどんなにぼけていても、たとえば
どんなに悪いおっさんでも、やくざでも、変態でも
雨に打たれたら寒い。
夜中歩いたら風邪をひく。

そう思って傘をあげた。
おばあさんは僕に何か言ったけど聞き取れなかった。
また歩いていった。でも傘は使っていた。

そのあと僕はいい人になった気分で、アイポットでスピッツを爆音で聞きながら
走って帰った。
ずぶぬれになった。ズブヌレッツに。
でも今になって思うとずぶぬれになりたかったのかもしれない。

あれ?傘をあげたのは本当におばあさんの為だったのか。
今少し不安だ。

それから傘をあげる前、(あげたら何かいいことがあるかも ハート )
など、ずるい事も考えた。
以前駅でおじいさんが倒れた時も少し思った。

僕はもう、いい事を本当にキレイな心をもって行う事はできないのかもしれない。
そう思うと自分の目が濁って見える。

今度、目薬を買おう。
会社の近くに マツモトキヨシがあるから。

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