桃の昔話。

川に大きな桃がどんぶらこ、
どんぶらこと流れてきました。
大きいと言いましても、人の入るような大きさでは
ありませんでした。

おばあさんはそれを拾って食べました。
とてもおいしいと喜びました。
おじいさんにも一口あげました。
とてもおいしいと言いました。
「うまい!もうひとくち!」と言いました。
おばあさんはもうひとくちおじいさんにあげました。
おじいさんはそれを食べました。
「デリシャスだ」と言いました。
「あまみもちょうどよい」と言いました。

二人はこの桃がいったいどこから流れてきたのか。
気になって旅に出ます。
シジュウカラの鳴き声が山の緑に響きます。
秋はまだ、恋する気持ちを知りません。

〔つづく〕

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