肩の大きな青年がよれよれのシャツを着ながら想像する話。

おもーいおもーいフタがしてある。
鉄でできたフタだ。
マンホールのようなおもいフタが、
頭の上の空にしてあって、
僕はそれをできれば開けたいんだけれど、
それを開けるとどうなるかと思うと、
怖くなって腰をおろす。

フタをあけたら外から何かが入ってくるのでは。
フタをあけたら全部吸い込まれてしまうのでは。

想像はますます膨らんで、
そこにもうひとつの世界があるかのようです。

するとこちらの世界では珈琲の香がして、
いつもの音といつもの顔。
お気に入りの肘置きに肘を置いたら、
誰かの名前を呼ぶのでしょうか。

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