世界一きれいなもの。

僕が見てきたものの中で一番きれいなものは、
オランウータンの目。
ダイヤモンドよりも一番星よりもなによりも。
胸をはって言いきるよ。

オランウータンの目は、世界一きれい。

ケーキの話。

友達や恋人の好きなところを5個言えるか。
そんな質問がある。

ふとケーキを思い浮かべた。
それを5等分できるか。
なんとなくそんな質問に思えた。

大事なのは個数じゃなくて、
そのケーキ自体を好きかどうかじゃないか。
気分だってあるだろうし、
体調によってもちがうだろうし。
どんなふうに好きか。

だから100個言える人でも、
1個しか言えない人でも、
きっとそれはどっちでもいいことで。

おいしそうに全部食べて、
ごちそうさまを言えたなら、
それはもう、好きってことだよ。

それから相手にとっては僕もケーキだから、
おいしいケーキにならないとな。
また食べてもらえるようにならないとな。

海賊の袋。

デニムの袋に小銭を貯金している。
袋に小銭を入れると、金貨みたいな感じがしていい。
海賊のような気分になる。
ジャラッと袋を揺らす時に、とくに。

オランウータンに会いに行くしか。

考えても分からない時、
こんな時はオランウータンに会いに行くしか。

最近は梅雨だし朝からじめじめしているから、
晴れている日はすごい大切にしなきゃいけない。
週末にはどうか晴れますよう。

借りたままのカメラを持っていこうかな。
それでまた坂を上ってみようかな。
つくるつくると言って結局つくらなかった、
おにぎりも、ちゃんとつくろうかな。
卵焼きくらいはつくってみようかな。
どうせまた、スクランブルエッグになるくせに。

今日の満員電車。

「ベストチョイス」

右に曲がればラベンダー畑。
左に曲がればロベルトカルロス。
あなたならどうする。
僕ならラベンダーを一本摘んで、
ロベルトカルロスに渡す。
ロベカルは僕になんて言うかな。
そうこうしているうちに表参道に着いた。
気持ちの整理もついていないのにな。

これは夢の話じゃなく、
毎日の満員電車の中で想像する話。

今日の満員電車。

「リーゼント」

写真色の背景に、
ルージュって言うの?口紅で、
右に曲がればRock、
左に曲がればLock、
そんな内容が描いてある。
僕はそれを鏡ごしに見てる。
時代は1984。
僕の生まれた年だ。

これは夢の話じゃなく、
毎日の満員電車の中で想像する話。

肩幅の話。

この間、
りゅうくんとまいちゃんが結婚したので、
岡山に帰ってきました。
ふたりとも高校の同級生で、
高校一年生のときからずうっとお付き合いをしていて、
それでようやく結婚しました。
ふたりの姿を見て、すごく感動しましたし、それ以上におもしろかったです。
りゅうくんは世界で1番おもしろいので、まわりの友達も皆おもしろいのです。

まず最初におもしろかったのは、なんば。
なんばは結婚式にダメージジーンズで来ました。
ボロボロのダメージジーンズです。
こんなことってあるんだと最初は目を疑いました。
そして相変わらず、すごいあほだなと思いました。
高校の時は昼休み以外はずっと寝ていて、
多分もうそれは皆が見慣れてしまって、
体育の時間誰にも気づかれず教室に置き去りになっていました。
本物のあほさ、それが彼にあります。

それから次におもしろかったのは時長。
彼はかっこうをつけて、買ったばかり新車で来ました。
でもシートのビニールがつけたままで逆にださかったです。
それで車庫入れに緊張して10分くらいかかりました。
後ろに渋滞ができていてこっちが恥ずかしかったです。
すると時長は余計慌ててしまって、
車から十数メートルも離れて歩いている通行人(女性)に、
ちょろちょろすな!と怒っていました(車内で)。
ださ!なにもかもださかったです。
どんな人間にも、必ず1つくらいはかっこいい部分があります。
それが時長には見当たりません。
100%の純度なのです。
本物のだささ。それが彼にはあります。

それから会場に行くと、のりお。
のりおの田舎くささ。
名前、顔、声。どれをとっても田舎くさいです。
高校のときのグレゴリーの赤いリュックサックも田舎くさかったし、
2次会を抜けて帰る理由が、明日朝から釣りじゃけえ。
いや田舎くささ。
何を釣りにいくのかを聞くと、ブラックバス。
いや田舎くささ。
誰といくのかを聞くと、弟と、弟の友達と。
いや田舎くささ。
本物の田舎くささ、それが彼にはあります。

それからまさちゃん。
まさちゃんのサラサラ感。
一家で逮捕されそうになった友達に、
結婚式という愛でたい場で本人に直接聞く行為。
そのさらさら感。
本人が嫌がって、まあその話は今は…。
と言ったあと5分後に同じことを聞く行為。
そのさらさら感。
少し酔って持論を語りだして、
「売れるとかそんなこと意識して自分のやりたいことを変えるよりも俺は常に自分のやりたいことだけをする。それでだめならまた考えればいい」
と言ってるところに女性が通りかかり迷わずスっとふくらはぎを触る行為。
そのさらさら感。
ジャルジャルのことをジャルジャルさんと呼ぶ行為。
千鳥のことを千鳥さんと呼ぶ行為。
そのさらさら感。
本物のさらさら感、それが彼にはあります。

それから豊。
その圧迫感。
顔のでかさ、体のでかさ、髪型。
その圧迫感。
苗字が竹之内。竹之内 豊。
その圧迫感。
男が集まったら胴上げせにゃあおえまあ!と言う発想。
その圧迫感。
りゅうくん出てきたら9階ぐれーまでぶち上げるから男はこっちに集まれえ!と叫ぶそのメンタル。
その圧迫感。
本物の圧迫感、それが彼にはあります。

このように、りゅうくんのまわりには本物ばかりが集まっているのです。
そして主役のりゅうくんの、そのりゅうくん感。
緊張しているのか疲れているのか、
マイクきてもなにひとつとしておもしろいことを言わないもったいなさ。
そのりゅうくん感。
三次会のカラオケで奥さんのまいちゃんが、
ELTのfragileの
<「愛しい」だなんて 言い慣れてないケド今なら言えるよ 君のために となりで笑っていてくれるのならば これ以上 他に何も要らないよ  出逢えたことから 全ては始まった 傷つけあう日もあるけれども 「いっしょにいたい」と そう思えることが まだ知らない明日へと つながってゆくよ こんなにこんなに 君を好きになって 本当に本当に ウレシイから たとえば この先くじけてしまっても にぎりしめたその手を もう離さない>

それを唄ってくれて、それがすごいうまくてかわいくて、
感動して、もう本当に羨ましいと思ってりゅうくん見たら、隣で白目で寝てるというもったいなさ。
そのりゅうくん感。
一生に一度の最高のfragileを聞き逃すそのもったいなさ。
そのりゅうくん感。
豊がガッツだぜ歌っている時に目を覚ますそのもったいなさ。
そのりゅうくん感。
と、豊の圧迫感。
あとまいちゃんのfragileのあとにエグザイル歌うなんば。
そのあほさ。
サビ前で店員にドリンクを大量に持ってこられてドア側のなんばは一体どうするのかなと思ったら、サビまでしっかり歌いきるなんば。
そのあほさ。
店員を待たすなんば。立ったままエグザイル聞かされる店員。歌うなんば。
そのあほさ。
結局そのエグザイルで、りゅうくんの結婚祝いは幕を閉じました。


りゅうくんとまいちゃんを見送ったあとにはもうとっくに終電はなくなってしまっていて、
僕はなんばと一緒に、時長の新車で送ってもらうことにしました。
車内で、なんばと時長に明日の予定を聞くと、
なんばは朝5時の始発新幹線で東京旅行。
時長はこのまま僕たちを送ったあと関西空港まで行ってそのまま韓国旅行。
と言うので僕は度肝を抜かれました。朝の4時に。
2人とも、どんな状況でカラオケしとったん!
スケジュール感どうなってるん!
ようあんな丁寧にエグザイル歌いきれたな!
あと式のあとそのまま旅行て、
新郎新婦みたいなことせんでええわ!
ええかげんにせえ!

ほんっっっま!あほばっかり!
いつまでも好きじゃわ。

おわり





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あとがき

今回の帰省で気づいたこと。
僕は東京や大阪でかっこいいものや、
かっこいい人にたくさんめぐり合い、
お洒落でイケてる最先端に、
これでもかというくらい両目をひらいて、
もう充血して、結膜炎にもなりながら、
そして両手を広げて憧れて、肩コって、
走って走って今でも走っているけれど、
もしかしたら、
ひょっとしたら僕は本当は。
目を閉じたいんじゃないかということ。
それで自分の肩幅と同じぐらいか、
もしくはそれより少し小さいものを、
思いきり抱きしめて、
目を閉じたいのかもしれないということ。
本当の本当の、本当は、
多分ずっとそれを思ってる。

岡山のあほの友達たちを見ていると、
そんなふうに思えたんです。

ため息みたいに、好きだなあって思う。
そういう時に僕はきっと目を閉じるんです。
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今日の名曲。

ひと駅歩こう
http://www.youtube.com/watch?v=ziiR7EWhoBw

再開。

おはよう!